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まず、アメリカ人に求めることに要点を明確かつ具体的にさせることが大事。アメリカ人にとっては、上司が求めることを察することを求められれば、一興に意欲が薄れます。子供の頃からはっきりとしたガイドラインと説明の上に、言葉できちんと与えられる指示に従うようにしつけられてきたアメリカ人のこと。もちろん察しなどによるコミュニケーションにも注意は払いますが、日本人と同じように解釈するとは限りません。また、重要な情報が明確な言葉で伝えられないとは思いもしません。加えて、アメリカ人の目からは、具体的に求められなかったことに対し、会社の勤務時間を使って対処することは時間の無駄に他ならないと考えます。
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アメリカ人に対しては常に現実的な目標でガッツを求めること。アメリカ人は、チャレンジを好みます。しかし現実味のない目標をぶつけられてしまうと、最初から負け戦と感じてしまうでしょう。常に目標を達成し続けることは、アメリカ人にとって成功への道を歩み続けていること意味します。一方日本では「常に厳しくチャレンジし続けること」が大事です。アメリカ人もゴールに向かって日々研鑽を心がけますが、成功に対しては褒められ、称賛され、また成し得た仕事に対して感謝されることを何より好みます。これがあってこそ、次へのチャレンジへ進もうという意欲が起こるのです。「これくらいで満足するな!まだまだだ!」という掛け声は、アメリカ人にとっては「お前は負け犬だ!」と叫んでいるようなものなのです。
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アメリカ人が望むなら、独立した仕事環境を整える。アメリカ人にとっては、報連相は馴染みのないマネジメントです。アメリカ人は独立独歩で仕事を進めることを良しと考えます。仮に毎日仕事の進捗状況をチェックされたら、自分が常に細かく監視されている(マイクロマネジメント)と感じてしまうでしょう。組織の中で報連相が必要な場合は、アメリカ人に対してその価値をしっかり説明することが大切です。そして、報告のタイミングも相互の間で決めておくとよいでしょう。
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アメリカ人には常にバランスの取れたフィードバックを与えること。アメリカ人は常に言葉ではっきりと自分の仕事に対する評価を求めます。また、ポジティブなフィードバックによってやる気を持ちます。ネガティブフィードバックは役には立つでしょうが、常にポジティブフィードバックと抱き合わせることが大切です。もし、部下の仕事ぶりが良かったなら、そう伝えることが必要です。彼らの仕事ぶりに満足がいかなければ、言葉でどうすれば改善できるかを伝えなければなりません。ただこのとき、怒鳴ったり、見下した態度で接することはご法度です。ある文化で正しい教育の方法が、別の文化では必ずしも正しい方法とは限りません。アメリカ人が能力に欠けているとか、怠け者だと色眼鏡で見てはいけません。彼らは、単にあなたが求めていることが理解できずにいるのかもしれないのですから。
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個人的なニーズに対してリスペクトの気持ちを持つこと。アメリカの家庭では夫婦ともども働きながら、常に対等の役割を担うことが求められています。家庭内の事情に対しては共同で事に当たることはとても大事で、また心の部分で支えあうために常に家族のための時間を持つことも重要なのです。そのために、子供のサッカーゲームの送迎や、赤ん坊が生まれたりする場合に職場を離れることもあるのです。